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ヨウ素は海洋国日本にとって数少ない世界に誇る資源であります。また,ヨウ素単体および化合物は我々の日常生活に深く関わりを持つと同時に重要な役割を演じているのです。よって,この重要な資源の有効利用はわが国にとって見過ごしできない研究課題であると考えられるのです。 現在,学会および産業界に幅広く関わるヨウ素およびヨウ素化合物の問題をそれぞれの分野から横断的に抽出検討を加えることに,ヨウ素利用研究会(1998年設立)の果した役割は大きいものがあります。8年におよぶ学会活動からヨウ素のおおよその全貌が明らかになって参りました。この機会にヨウ素関連の研究をまとめることは学問的にも意義があると考えられます。 このようなときに,(株)シーエムシー出版の強い勧めで『ヨウ素化合物の機能と応用』と題するレポートを今回発刊することができました。 内容は,ヨウ素化合物の基礎から最先端の応用までを全般にわたって理解できるように,しかもヨウ素は広い学問分野に渡っているのでどの専門分野の人にも分かるように各分野の第一線でご活躍中の方たちに平明にご執筆をお願い致しました。 第1章はヨウ素の地球化学的な起源から実際の製造さらには回収までと,ヨウ素の物理化学的性質およびその利用について触れ,第2章では近年有機化学において利用の著しい超原子価ヨウ素化合物について述べております。第3章は将来ヨウ素研究の尖兵となるべき分析手段の最先端について,第4?7章はヨウ素の材料,光,エレクトロニクス,医薬品への応用を扱っております。第8章は未知分野の多い生体内におけるヨウ素の働きについて,最後に第9章においてヨウ素の萌芽的研究に触れました。 このようにして画期的と思われるヨウ素関連の書籍を編纂できたことは大きな喜びであります。これを契機として,ヨウ素科学が21世紀の科学のイノベーションを牽引することを期待するものであります。
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