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| 触媒とは、特定の化学反応(自発的に起こり得る反応)を促進する物質で、自身は反応の前後で変化しないものをいう。酵素は生体触媒である。細胞の中で数千に及ぶ酵素はそれぞれに特異的な反応を触媒し、秩序を保っている。一般的に無機触媒と比較して、(1)常温、常圧、中性付近のpHなど穏やかな条件下で反応を進め、(2)基質特異性を有し、(3)活性部位を持っており反応効率が高いことが特徴であろう。さらに近年になって、極限環境微生物由来の酵素は極限環境で機能する場合が多いことも明らかになってきた。例えば超好熱菌由来の酵素は好熱性であるように。 一方、酵素に関する研究の歴史を振り返ってみると、19世紀後半に酵素という概念が発表され20世紀に入って、反応速度論、タンパク酵素の確認、結晶化、1次構造(アミノ酸配列)決定、立体構造決定、触媒機構の理解、リボザイム(RNA酵素)の発見、タンパク質工学など重要な発見・研究が続き、現在に至っている。特殊酵素の探索、酵素の改変、酵素の安定化、反応促進、酵素の固定化などは、酵素の産業利用にとって重要なポイントであるし、それぞれに面白い工夫が加えられている。これらの最新技術を各分野の第一線の研究者が執筆してまとめたのが本書である。それぞれの興味あるアイデアを、読者自身の技術と組み合わせることにより、産業化に向けて大きく発展されることを期待している。
5,060-(税込)
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酵素の開発と応用技術 普及版
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