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| 認知症を抱えて困っている患者の数が500万人にのぼる現在、あらゆる分野の医師が認知症の診療術を理解・習得することが求められています。本書は「認知症という困難を抱えながらも、患者本人とその家族が、笑顔で穏やかに暮らし続けていけること」を認知症医療のアウトカムと捉え、認知症がどのような原因で生じているのかを診断し、適切な薬物療法やリハ・ケア・家族指導を提供する実践医療のコツを解説しています。病院や診療所という現場で認知症の診断・治療・ケアを楽しく行うことで、本人や家族が困っている問題を解決し、笑顔で感謝され、医療者としてやりがいを感じることのできる方略が満載の一冊です。医師にとっては、地域包括ケア推進の流れの中、2016年度診療報酬改定で主治医機能を評価する新点数も創設されたことから、かかりつけ医としてどのように認知症の患者を診断・治療し、支えていけばよいのか、そのノウハウを身につけることができる内容となっています。同じく新設された病棟の「認知症ケア加算」に関わる看護師や医師にとっても、認知症の診断・治療やせん妄への対応、行動・心理症状(BPSD)への対応、摂食障害など生活障害のケアも身につけることができます。本書は、認知症患者への医療向上の必読書となっています。◆山口晴保(群馬大学大学院保健学研究科リハビリテーション学講座・教授/医師)1976年に群馬大学医学部を卒業後、群馬大学大学院博士課程修了(医学博士)。専門は認知症の医療(日本認知症学会専門医)やリハビリテーション医学(日本リハビリテーション医学会専門医)。アルツハイマー病の病態解明を目指して、脳βアミロイド沈着機序をテーマに30年にわたって病理研究を続けてきたが、その後、臨床研究に転向し、認知症の実践医療、認知症の脳活性化リハビリテーション、認知症予防の地域事業などにも取り組んでいる。これらの研究を進める中で、2005年に『認知症の正しい理解と包括的医療・ケアのポイント─快一徹! 脳活性化リハビリテーションで進行を防ごう─』(協同医書出版社)を上梓(2010年に第2版)。また、2008年には『認知症予防─読めば納得! 脳を守るライフスタイルの秘訣─』(協同医書出版社)を出版し(2014年に第2版)、認知症の発症を遅らせて高齢期を生き生きと過ごす術を伝える活動を続けている。本書は、これまでの病理・臨床研究の集大成として執筆したものになる。以上に加えて、群馬県地域リハビリテーション協議会委員長として群馬県の地域リハビリテーション連携システムづくりに力を注ぐとともに、昨今提唱されている地域包括ケアを10年先取りするかたちで、2006年から「介護予防サポーター」の育成を進めてきた。あわせて、2005年より、ぐんま認知症アカデミーの代表幹事として、群馬県内における認知症ケア研究の向上に尽力している。日本認知症学会副理事長、日本老年精神医学会評議員、第27回日本認知症学会学術集会(2008.10、前橋)会長。
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