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| 世知辛い世の中である。テレビをつければ、低年齢化した凶悪事件のオンパレード……。何かが間違っている。 現実にしてからがこうなんだからして、我が愛する漫画界を筆頭に、フィクションの世界はもっと凄い状況である。大量殺戮、オカルト、異形のSEX…、ありとあらゆるインモラルがはびこる世界なのだ。怖いから面白い。面白いけどな?んか辛い、と思う私…。 そんな私を救ってくれる漫画がある。“悪には正義の鉄槌を!”を合言葉に、男達が巨悪に立ち向かう少年漫画の極めて古典的なスタイルの作品、それを私は、何と週刊漫画ゴラクで見た。それが『銀牙伝説ウィード』。 これはかつて、某有名少年漫画誌でやっていた犬漫画、アニメ化までされた動物漫画の金字塔『銀牙?流れ星銀』の続編である。 この漫画、一巻50万部近くを数えるという、大ヒット作である。しかも、しかもこの作品のテーマたるや“道徳”なのだ。この、モラルなき現代に、「これじゃイカン!!」と犬達が吠えているのである。 私は納得した。この『ウィード』が少年誌ではなく、青年漫画誌に連載され、大ヒットしている、そのわけを。大人は求めていたのだ。正義が勝利するストーリーを。ドギツイだけじゃない、真っ白な面白さを。読んだ後に、一日一善がしたくなる、そんな物語を! この作品の内容はというと、主人公の子犬ウィードが、まだ見ぬ父“銀”に会うために旅していくという冒険活劇。その行く先々で出会う犬達は、ウィードの純粋無垢な心に惹かれ、仲間になってゆく。といって、犬達も特別ないい人(犬)揃いなどというようなことはなく、上の顔ばかり気にするチクリ野郎もいれば、仲間同士で反目し合う大馬鹿者もいる。この辺りが、この作品のもう一つの魅力となっている。 ちなみにこの第7巻では、アルプスの巨悪・法玄に捕らえられた父・銀を救うべく、ウィード達が動きだす。ボスとして認められたウィードの活躍や、また彼らの前に立ちはだかる偵察犬・ロケット兄弟とのスリリングなストーリーが展開する。何よりも“生きる”とは何か、犬達は懸命に我々に訴えかけてくる。 この世知辛い世の中を生きる大人達への一服の清涼剤として、そしてまた、子供達へは、格好の道徳書として、親子ニ代にお勧めしたい一冊である。 (動物愛好家・猫田犬昭)
544-(税込)
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ウィード 銀牙伝説 7
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